私たちの身の回りには、大小、様々な金属製品があふれています。 にもかかわらず、金属を加工し商品にまで |
仕上げるものつくりの現場「鉄工所」は、一般の人にはやや遠い存在のようです。 |
鉄瓶や刃物などの工芸品は別として、日常で目にする金属商品には機械的なイメージが強いかも知れません。 |
手造りの風合いが感じられないからと「既製品」のカテゴリーにまとめられてしまいがちです。そもそも既製と |
は、おかしな言葉です。商品とは、どこかで誰かが作っているから存在するのであって、「すでに出来上がって |
いる」という意味の既製品なんて世の中にはないはずです。 |
鉄板を機械に通すだけでは、商品になりません。図面を起こし、寸法通りに切断し、溶接をして、塗装など、 |
完成までには手作業を含めた様々な工程があります。そして、完成品を使用場所に設置する。ここまでが「鉄 |
工所」の仕事です。 |
また、意外と知られていないのが金属の多様性です。単に「鉄」と一括りにされがちですが、金属には性質や |
形状の異なる様々な種類があり、用途に適したものが選ばれています。もちろん、「木」「コンクリート」 |
などの「異種材料」とのコラボレーションも「鉄」の可能性が広がります。自分サイズにオーダーで「つくり |
こむ」そして、「組み上げる」常にリアルを感じられるのが、「鉄工所」の仕事です。 |
高校時代の私は早くも「新建築」という建築専門誌を愛読してました。学校から帰るとお気に入りの一冊を |
こたつの上に広げ、毎日ページに穴が開くほど読んでいました、当時はお金もなくただ、妄想にふける日々 |
でした。一流」の建築家の作品を、必死に自分の目に焼き付けていたのです。建築の世界に憧れた私は、 |
東京と福岡の建築設計事務所に7年ほど勤務し、家業である「鉄工所」を継いだ数年後に一級建築士の資格 |
を取得しました。 |
父が営む「鉄工所」を継いだ頃、仕事の大半は、大手住宅メーカー、ゼネコン等の2次下請けなどでした。 |
メーカーから渡された図面通りに鋼材を加工し、発注された部品や工事を期日までに納品する。当時の私は |
「これが鉄工所に求められている仕事なのだろう」と、日々仕事をこなしていました。 |
日本の製造業は、図面に寸分たがわず製品を作りあげる。世界に誇る日本のものつくりの多くの最後の詰め |
は、職人技が支えています。しかし、やがて指示通りにやりさえすれば、いいとも、悪いとも、誰からも評価 |
されることはありません。渡された図面以上の能力を必要とされないとのは、なかなか辛いものでした。 |
設備投資の面でも、小さな町工場がそこにエネルギーを集中し続けることには限界がありました。時に、横一線 |
に並ぶということは、資金と人材と時間が必要です。私は、このまま工場の中に留まるのでなく、人々が暮らす |
生活の場まで、仕事のフィールドを広げることを考え始めました。設計(こんな風にしたい)から、制作(こんな |
風がかたちに)へ、そして、現場(こんな風の実像が見えます)。今までの、鉄材を加工するだけの「鉄工所」 |
から、お客様の「こんな風にしたい」が仕事のスタート。池上鉄工は、そんな「鉄工所」に進化を始めたのです。 |
間違えなく言えるのは、お客様は「提案」を待ってます。私たちにアイデアを求めています。ものつくりの |
プロとして、自分の思っている以上のことをやってくれるのではないかと、お客様はいつも期待してます。 |
ですが残念なことに、これまでの鉄工所は依頼されたこと以上の仕事に手を伸ばすことはしてきませんでした。 |
要望に応えられるだけのスキルとノウハウも持ち合わせていなかったということでしょう。 |
池上鉄工の考え方の基本には、新しい価値を提供していきたいというのがあります。鉄工業で50年以上の実績 |
があります、もう一つの強みとして「図面力」と「現場力」を融合させた最短距離でのまったく新しい提案です。 |
お客様の言葉の中から情報を拾い集め、漠然としたイメージを目に見えるかたちにしていくのです。「鉄工所 |
ってこんなことできるんだ」という体験は、お客様にとってこれまでなかった全く新しい価値だと思います。 |
時には、お客様ご自身で「鉄」を切る、くっつけるなどの仕事体験も出来ます。 |
お客様は、ご注文されるときには常に「こんな風にしたい」と思っています。池上鉄工の仕事の始まりはそこから |
です。「池上鉄工」の仕事場は工場だけではありません。周辺環境、風土、気候といった現場の実状を組みしながら |
アイデアを含まらせていきます。使いやすさやメンテナンスの方法など、現場で培った感覚を設計に反映し、 |
建築デザインに興味がある私の引き出しで、イメージはよりリアルに具現化できます。 |
デザインしながら、製作し、取り付ける。自身で考えて、お客様と打ち合わせしながら形にしていくのです。 |
現場での取り付けるという段階では、世の中に今までなかったモノが現れます。そして、良くも悪くも壊される |
ことがなければ、残っていくことでしょう。 |
もの作りが好きな人、自分の手でものを作ってみたい人。そして、もの作りがやりたいのに、今の職場では |
チャンスに恵まれない人、商品開発、商品制作、そして空間造りまで、アイデアを形にする楽しみを、私たちと |
共有しませんか?(募集は、基本的には、多少の経験者のみですが、興味がある方は、未経験者でも可です。) |